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1205号 山稜の東西

2017年03月19日(日)

今朝は関東平野は快晴である。飛行機が北に向けて飛び立ち、やや右に傾いてのち時計の逆回りに旋回しだすとき、下方には印旛沼、手賀沼、そしてその向こうに大きく霞ヶ浦が見え、さらに回転が進むと右窓の正面に筑波山と海岸の東の方向に低く伸びる丘陵が望める。東京湾上からはかなり距離があるはずだが、平坦な関東平野の広い土地は周囲にものが何もないので、向こうに青ずんだ筑波山は目立つ存在なのである。そしてそのさらに奥の山脈の方には雲が立っている。
 眼下はまるで地図状になった河川や道路、集積地の建物群が見え、やがて15か20ほど数多くの黄色に芝枯れしたゴルフ場が集まった侵喰のすすんだ丘陵群、つづいて秩父盆地と間を蛇行する河川、セメント掘削地らしい白い山肌が眼下にある。さらに西に航路が進むと山梨の盆地また松本盆地は真白の雪景色であり、道路など直線状のインフラだけが逆に黒く目立つ。
 このあたりから鱗雲のように千切れた断雲が点々と現われ、北アルプスの上空に至ると、日本列島上での曇天と晴天の分境界になる。それからさらに西北方は一面の雲の海である。ところどころ雲の間にのぞいて見えるアルプス山脈の鋭利な稜線から離れながら雲が薄く東へ伸びており、日本海側と太平洋側の典型的な天気の激差を認めることができる。
 飛行機はすぐに着陸の態勢と変わり、雲中に突っ込んでゆくが、今日はなぜか揺れることはない。雲が薄いのかもしれない。そして雲の下に突然と加賀平野が現われ、雪景色であるが上空の雲のせいで白ではなく暗色である。さらに降下してわかるのだが、雪は信州の盆地ほどには積っておらず、田の水や枯れた地面も一部みえる。「小松は今朝まで雪でしたが、みぞれに変わり気温は2℃」と機内放送。 高速道から眺めて、安宅あたりの海岸のところは雪はまったくないが、加越県境から福井側は雪があり。うす日が射しており、越前の東の山稜から靄がはれてゆく。

 

(2017.1.17 9時 記)