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イッセイエッセイ

1215号 待つことについて

2017年03月30日(木)

 今朝は大野で、この夏までには開通する予定の中部縦貫自動車道(永平寺大野道路)の開通を期待して、記念キャンペーンオープニングイベントが行なわれた。もう完成の時期は目前であり、その日を早くと待つ気分が、出席者やイベントのテントの人達の表情に感じられた。
 一方で、越美北線の土手際には残雪が線路に沿って細く断続につづいており、奥越の山々もこれから春を迎えようとしており、地上の風景もイベント広場では、テントの高さの2~3倍もある高さに白く積み上げられた除雪の山が残っており、泥によごれていないので美しいのである。
 福井県のこの時期、これからの風景は毎年のことながら実に美しい。とくに奥越はやや厳しさの中にあって格別の情緒があり、人間ではなく将に自然そのものが春を待つような気配を感じる。
 高速道路はこの三月末には完成が間に合わなかったが、初夏のころにはこの大野盆地まで開通することが確実であり、人々の何かを待つ気分が全体に漂っている。
 ゲーテはその詩の中で、ものが実現したときの喜びよりも、ものが成就する予感こそ最高の喜びである、とどこかに書いていたことを思わずおもい出した。
 幼いころは、いつも何かを心待ちにして待っていたことが多かった。いまは具体的なそれらが何であったかは多くは忘れてしまったが、しかし今でもこのような記憶の名残りがある。

(2017.3.18 記)