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イッセイエッセイ

1216号 風か雪か

2017年03月30日(木)

 ボーラというのは、アドリア海で北または北東から吹き降ろす風であり、ギリシア神話に登場する風の神ボレアースに由来しているらしい。
 とくにこのボーラは、イタリアの北東部にあるスロベニアに隣接するトリエステ(人口20万人)という町で特に冬に吹く風として知られている。その風速は季節にあまりかかわりなく瞬間風速が日本の台風以上にも達し、車や列車までも横転させたり、街の歩道に張られたロープや鎖は、風が強い日、歩行者が吹き飛ばされないためのようだ。
 NHKBSの「世界街角歩き」を見ていると、ポケットにかなりの石ころや小さいアイロンを入れて歩くことも習慣として紹介されており、実に愉快というか、風土に根ざした地味な生活をしていることに感じ入る。日本での日本海側のフェーン現象と同じだが、地中海では南北、暖寒が逆になっているので、同じ気象とはならず、風下は気温が冷涼となるようだ。
 いずれにしても登場している市民たちはこの地域風を運命、苦しみというよりは誇りないし楽しみとしている様子にみえ、ギリシア、ローマをさかのぼる古代からの歴史を持つ都市だけに、その心意気やよしと感じた。 乾と湿だけが強風と雪との間違いと思われ、福井も冬を楽しむ道がありそうだ。

 

(2017.3月 記)