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イッセイエッセイ

1282号 「チョムスキー言語学講義」―言語はいかに近代化したか(2016年)(ちくま学芸文庫 渡会圭子・訳 2017年)

2017年12月05日(火)

 人間の言語の能力とは「何」か?

・人間の言語における、構造の特徴は、左から右へ「順次的」な配列の表現ではなく、「階層的」な表現が使われることである(他の動物には出来ない能力)。(154頁)

・私たちが誰もが持つ言語機能の最も基本的な特性は、離散的な要素が無限に連なる階層構造の表現を構築し、その意味を解釈できることである。(89頁)

 計算の原子である“語彙項目”と生成のための“計算特性”が十分まだ究明できていないとのこと。

・語順の方は語彙の違いによって多様であり、たとえば英語と異なって、日本語とドイツ語は動詞後続型(目的語が先行)となる。(157頁)

 生成文法では同層的な語順を多様なものとみなして重視していない。

・言語能力は、他の認知能力から根本的に切り離されているという考え方は、今やすっかり定着している。(120頁)

 言語はいつ又どこで出現したのか?

・南アフリカに約20万年前にホモサピエンスが出現し(すでに40~60万年前にネアンデルタール人と分岐している)、脳の大きさが現在のレベルに達したのはおよそ10万年前である。そして最後の「出アフリカ」が起きる約6万年以前まで(8万年前より以前か)に脳の内部でわずかな配線の変化があり環状が完成し、言語が出現したと推定される。だいたい13万年の間つまり5,000~6,000世代かけて進化の変化が起こったのではないか。(197頁、205頁)

 「進化の教科書」第2巻(ジンマー、エムレン共著)によると、生物に生じたごくわずかの突然変異が時間をかけて大きな影響力を発揮することを主張している。

・この言語が存在するようになった時間は、生物の進化の時からいうと、ほんの瞬きをするくらいの間である。(90頁)

・言語の生成手続は、小さな突然変異の結果として、突然現われたと推定し、そうなると生成手続はきわめて単純なものと考えられる。(93頁) ──XとYの要素で新しい対象を構築する演算。(94頁)

・この意味で言語は雪の結晶のようなもの(95頁)、言語の先駆体(短い文だけの言語に近似したシステム)は認める根拠がない(96頁)

・言語能力は思考のために最適化されたシステムであり、“内的思考の道具”として進化した。“外在化”は二次的なプロセスである。(99頁)

 「なぜ」人間は言語を獲得したのであろうか。

・言語が発生する原因となったのは「コミュニケーション」ではない。(133頁)

・言語は、形と形以外のモジュールからの違う表現を結合する媒介語である。(215頁)

 この説明はやや分からない。

(2017.11.26, 12.3 記)