【トピックス】

平成15年11月8日朝日新聞夕刊
  窓 論説委員室から 半年たって

 はやりのマニフェスト(政権公約)が選挙で初登場したのは今春の統一地方選だ。
「福井元気宣言」と名づけた公約を掲げ、福井県知事に初当選した西川一誠さん(58)は、この半年余りを「宣言を実現するために組織を整える期間だった」と振り返る。
 期限と財源、数値目標などを具体的に示したのがマニフェストである。
元気宣言は、1万5千人の雇用創出など、100もの項目を4年間に実行すると約束した。
 旧自治省出身で副知事だった西川さんが初登庁すると、職員は元気宣言に合わせた組織改革案を用意していた。
それをもとに、県組織の半分にあたる部や課で廃止と新設、名称変更などを実施した。
民間人副知事の起用、有識者を集めた経済社会活性化戦略会議の設置も実現させた。
 西川さんにとって、元気宣言は水戸黄門の印籠のような効力を発揮してくれる。
選挙で有権者の支持を得たとして、職員はそれに沿って動く。
「私たちも選挙で選ばれた」という議会も、正面切って反対しにくい。
 だが「スピードと決断」がモットーの知事といえども、一気には進めにくいマニフェストもある。
大規模な施設整備の凍結、一般職員5%減といった人件費抑制、外郭団体の整理など、身を削り、人を減らす項目だ。
 これらの実現には、議会や労働組合の説得などリーダーシップが問われる。
 マニフェストを導入した県政は、滑り出しこそ上々に見えるが、正念場はこれからである。
<大峯伸之>
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