【トピックス】

平成16年1月3日 朝日新聞掲載
西川知事にインタビュー

101項目のマニフェストを掲げ、昨年4月の統一地方選で 初当選した西川一誠知事。
今月2日、59歳となった知事は就任2年目の年を迎えた。
北陸新幹線の県内延伸やえちぜん鉄道の高架化問題などの課題処理に追われた8カ月間の感想を聞くとともに、マニフェストの達成状況について自己評価をしてもらった。

マニフェスト 成果の年に
 

―03年はどんな年でしたか。
 4月の知事選では、マニフェストという指針を示して、(任期中の)政策を中心に有権者に判断してもらう選挙をしたいと思った。(当選後は)県組織の見直し、人事異動、初の民間出身副知事の任命、マニフェストに基づく部局長との政策合意をできるだけ早くやろうと思いスピードを上げた。そういう1年だった。

―マニフェストのよい点は。
 目標がわかりやすい。私が責任持ってやろうとしていることだから、質問も議論も明瞭になる。約束を守るべく行動することは、苦しみも楽しみもあるがハードな仕事だ。マニフェストの内容を常に頭に描き、絶えずやらなければという義務感がある。

―就任後、最初に県の機構改革に着手しました。
 成果主義、顧客主義、事後評価の導入など新しい行政手法でやるには、県という組織が変わったことを示さなければならない。職員の意識改革を徹底したり、県庁の受付場所や課の名前を新しくしたり、部の壁を取っ払ったりしないと、仕事ができなかった。

―マニフェストの中に福井城跡の復元があります。実現は可能ですか
 市民の皆さんの歴史・文化を中心に置いたまちづくりの機運をなんとかして作りたいと思って盛り込んだ。県庁移転の検討会も設置した。すぐ県庁を移転するかという話ではないが、復元は皆さんと同じ気持ち。
 市民がまちづくりを進める大きな時代の流れが動いてくれるといいと思う。

―マニフェストにはありませんが、えちぜん鉄道の高架化を判断しました。
 JRや新幹線が高架に上がり、福井市内に東西交通の新しい道が何本もできるのに、えちぜん鉄道が地上のままで、遮断機が下り、警報機が鳴るのは、適当でない。
 ただし低床の乗りやすい電車が市内を走る工夫はしたい。それは主に福井鉄道の分野だ。市南部から北部の市街地を走ることは可能だと思う。

―マニフェストにある「直接対話によるオープンな県政」は、敦賀市の民間廃棄物最終処分場や福井市の魚あら処理施設問題では生かされたのでしょうか。
 魚リサイクル処理施設問題は、事業を進める人と不満をもっておられる住民の問題。県は調整役をしており、当事者が話に乗りきれないという感情や事情がある。産廃問題も、問題をどう解決するかが重要であって、廃棄物を安心な形で管理する技術的な話だ。(住民の)意見はこれまで十分聴いている。

―政府の諮問機関が1万人未満の自治体の合併を県主導で進めることを求める方針を出しましたが、「市町村の自主的な取り組みを支援」としているマニフェストの趣旨と相いれないのでは
 市町村合併は、小さい市町村が、このままでは政策、財政的に地域住民の要望に応えられないのではないかという背景がある。(合併は)強制するような話ではないが、知事が大局的に、合併をバックアップすべきだという意味のメッセージだと理解している。

―原発に関するマニフェストは、前知事の施策を踏襲する内容が目立ちます。
(原発は)国家プロジェクトだし、県民の生活などへの影響は最大。それらを十分踏まえながらやらないと、軽々しくああだ、こうだはできない。政治的な判断を加えることはあるが、継続的な判断を無視してよい分野ではない。
 福井県は原子力安全行政の先進的な県だし、実績がある。国や事業者に対して、しかるべき発言を絶えずし、県民の原子力安全の担保をしっかり取っている。行政、人材的にも指導的立場で取り組んできた。

―北陸新幹線の県内早期着工が実現できなかったら、原発行政の方向転換はあり得るのでしょうか。
 原子力で福井県が置かれている立場、そこを国も分かって新幹線の国家プロジェクトをやるべきだというのが私の思いだ。今回は従来以上にそういうことを理解してもらったと思う。

―マニフェストの自己評価は。
 全力で取り組んだし、やることの目標はだいたいやった。滑り出しとしてはだいたいやれたかなと。新年は経済活性化戦略会議や教育問題など多くの課題を具体化したり、充実したり、実現の成果を上げる年になる。



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