【トピックス】

この文章は、平成18年5月7日(日)に福井市社西公民館で行われた
福井県ホタルの会総会
での知事のあいさつをまとめたものです。

 

本日は、福井県ホタルの会の平成18年度総会にお招きいただき厚くお礼を申し上げます。
福井県ホタルの会の皆様方には、日頃より、ホタルの保護増殖をとおし自然環境の保全に積極的に取り組まれておられますことに、心より感謝申し上げます。 
 ホタルは、「ほたるこい」や「蛍の光」にも歌われているように、私たちにとって、昔から馴染みの深い生き物です。
また、私自身、越前町(旧朝日町)の生まれであり、小さい頃は、夏になると早く暗くならないかと、夕暮れのまだ明るいうちから、近くの小川に箒を持ってホタルを追いかけようと楽しみにしていたものです。まさに、ホタルが飛び交う風景は昔を思い出す懐かしいものです。
しかしこのホタルも、経済社会の進展に伴って、水質の悪化や産卵や生育の場所の減少が進み、少なくなってきました。
こうした状況の下で、県内各地でホタルの保護増殖に取り組んでおられる皆様方が、昨年5月に「福井県ホタルの会」を設立され、ホタルを通して自然環境の保全や啓蒙活動に取り組んでおられることは、誠に意義深いものであり、改めて深く敬意を表するところです。
現在、県では、ホタルなど水辺に棲む生き物が生息できる自然環境の再生を図るため、(1)自然に配慮した河川改修や農薬をできるだけ使わない環境調和型農業の推進をいたしております。さらには(2)定められた環境基準以上のすぐれた環境を作り出して、ホタルが住めるようなレベルに質を上げることが大切だということを皆さんから教えていただきました。また、(3)一昨年の水害の際にホタルの生息にも影響が出たとのことであり、防災の重要性も改めて念頭に置くべきことがわかり、里地里山における水辺環境の保全に積極的に取り組んでゆく必要があります。
また、(4)県では3年後の平成21年に全国植樹祭の開催を予定していますが、この植樹祭では、木を植えるだけでなく、広く環境という視点から、花や水辺などにも配慮した様々な取り組みをしたいと考えています。
ホタルについて、「あっちの水は…」というように、すぐ唱歌を思い浮かべますが、今日は出掛けに、ホタルについての昔の和歌をインターネットで探してきました。
平安時代の有名な女流歌人和泉式部の歌に、
「物おもへば 沢の蛍も我が身よりあくがれいづる 魂かとぞみる」
がありました。意味は、恋しさに思い悩んでいると、沢に飛ぶ蛍も、私の身体から抜け出してゆく魂ではないかと見える、というものです。
県としても、多くの地域でホタルの飛び交う風景が見られるよう、今後も積極的に自然環境の保全に力を入れていくこととしています。
福井県ホタルの会の皆様におかれても、自然環境の保全に一層取り組んでいただくとともに、活動の輪が県内全域に広がっていくことを期待しています。
終わりに、福井県ホタルの会のますますの発展と皆様方のご健勝をお祈り申し上げ、ご挨拶といたします。