【トピックス】

月刊 「官界」2004年4月号より転載
「菅川健二の知事訪問」のインタビュー

これから3回連載で掲載いたします。
第2回目のインタビューを掲載いたします。


「福井元気宣言の実行」
 

●「挑戦(チャレンジ)ふくい」プランの作成 ―― 産力戦略本部の創設
菅川昨年末に「挑戦(チャレンジ) ふくい」プランを作成されました。
読ませてもらいましたけれど、大変広範にわたっておりますが、特に福井県は、長年にわたって社長の人口比輩出率が全国一位だという面からしますと、ベンチャー精神が非常に旺盛な県民性だといわれると思うんです。
その際に物づくりとか新産業創出にどういった支援策を講じようとしておられますか。
知事先ほど申し上げました「経済社会活性化戦略会議」を設置いたしまして、必死になって議論しました。
短い期間に十回近く議論して、東京の委員の方にずっと来ていただいた。
大きな方向としては、特に民間の活力がメインであり、行政はバックアップする。
福井県民は勤勉で仕事熱心だけど、もう一つさらに踏み込みが足らんのじゃないかという皆さんの反省がありました。
だから、チャレンジだと。
それからみんなで「出る杭」になろう。そういう「出る杭」の皆さんに対して応援をする。
単に団体だから応援をするということじゃない。
こうした基本的な観念でいろんなプロジェクトを戦略プランの中で明らかにしております。
主なものとしては、産力戦略本部というのを作りまして、大学、産業界、それから県等々で、ベクトルを共通にして絶えずトップが方向性を共通認識して仕事をしていく、そして力を発揮しないといかんということですね。
それから産業支援センターを他の組織と統合して充実することも考えております。
福井は農業が基盤としてあります。農業も家業ではなく産業として進めていく。
福井は潜在力があると思います。
それをいかにみんなで意識しながら発揮していくか、ということだと思っております。
菅川福井県は、今まで繊維産業なり眼鏡産業が特産的な産業でしたね。
知事 特に眼鏡は日本の九割、世界の三割です。
最近は繊維も単なる衣料ではなくてカーシートとか、産業用繊維というものに段々広がっていくと思われます。
さらに、長期的にはナノテクですね。繊維をベースにし、あるいは機械の細かい作業をベースにした微細技術を今やっているんです。
●共稼ぎ率日本一子育て支援策の充実
菅川福井県は、共稼ぎ率が日本一ということで「女性の元気は福井の元気」と言われています。
知事に就任されてから「まちなかキッズのルーム」の設置とか、女性が働きやすい環境づくりに意を用いておられますね。
知事「女性の元気は福井の元気」とつねづね感じています。女の方は昔から農業の担い手でありました。
その後、中小企業、眼鏡とか繊維の働き手になっていて、共働き率が高いという伝統があるんだと思います。
女性の優れたセンス、パワーを、何とか政治に反映してもらいたい。
県内を三つのブロックに分けて、各二十名ということで六十人の「福井女性会議」を設けました。
子育て支援と地域の町づくりを女性の目から見てどんなふうに創りますかということでした。
数日前に、私たちはこうやって考えたという結果を女性の人が記者発表しました。
それも新年度予算に反映させたいと思います。
合計特殊出生率は、一・五一と全国的に見ると八位ですが、やはり少子化に向かっております。
共働き率が高いですから、特に子育ての問題をしっかり進める必要があります。
「まちなかキッズルーム」もそうですが、お子さんが風邪を引いたりしたような時に預けられる、あるいは病気が治ってもしばらくは預かる病児デイケアの充実を図りたいということで予算化したいと思います。
あるいはそうでもなくて、冠婚葬祭などいろんな時にお母さんが休めるという意味の月単位、時間単位の一時預かりにより負担を軽減しようということで、子育てに暖かい手が届くような気持ちでやりました。
県立病院を今改築していますが、女性専用外来を設けるなど、女性の考えを具体化していこうと思ってます。
菅川今年度の目玉としては子育てが中心ですか。
知事子育てがかなり大きいですね。
戦略会議でも、単なる雇用のみならず、経済社会と言ってまして、女性の皆さんのパワーをどのように発揮するかということが書いてあるんです。
それに基づいて今申し上げた女性会議などの意見を参考に、これが共通の切実な意見だなと思われるところを具体化しています。
●「福井型コミュニティー・スクール」の創設
菅川教育には特に熱心に取り組んでおられますが、その中でも「福井型コミュニティー・スクール」の創設をお考えですけれども、どういった構想ですか。
知事私は四つの元気ということで「元気な産業」、「元気な社会」、「元気な県土」、「元気な県政」を掲げています。
それをさらに総括して教育、人づくりが最終目標だと思っております。教育については人によりいろんな意見がありますが、私はテクノロジーと言いますか、教育には最高の技術を駆使しなければならないと考えています。
ゆとり教育とか、あるいは詰め込み教育との対立がありますが、教育技術が不足しているからそういう問題になるのではないでしょうか。
ともかく教育技術を高めてしっかりした教育をしようと思います。
その中で三十人学級も段階的にやろうと思っておりまして、低学年はボランティアの人と先生とで一緒に行う。
高学年は複数の先生の方式もある。
中学一年は特に難しいですから三十人学級をやらなきゃいかんでしょう。
そういった「元気福井っ子笑顔プラン」というのも十六年度から実施したいと思います。
その中で重要なのは家庭、地域、それから先生、学校がオープンな格好で自由に学校を運営していくことが大事でしょう。
コミュニティースクールを十五年度は三校モデル校にして進めております。
そして十八年度までに全市町村に設置したいと思っております。
地域と一体となった学校運営とこういうことです。
それから特色ある学校づくりの一環として中高一貫教育を、これは私学の中高一貫教育のタイプではなくて、中学校にある特定のクラスはそのまま地元の高校に試験しなくても入れる、そういうタイプの制度を導入したい。
県下で七校の中高を研究指定校として指定して進めたいと思っております。
菅川今のコミュニティースクールで、特に福井型ということを銘打たれたのはどういうところでしょうか。
知事福井型のコミュニティスクールは、福井県はPTAが非常に活発ですので、まったく現状と関係なくやるんだということではなくて、その組織をしっかり生かしながら、教育活動をやっていこうという思いなんです。
これから福井型になるかどうかは、モデルのやり方によって出てくるかなと思うんですが。
菅川その場合、学校経営にある程度参画されるのか、そうではなくて、今学校週五日制をやってますが、そうすると土曜日とか日曜日の過ごし方の問題、放課後の過ごし方の問題、そういった面での役割分担に重点を置かれるのか、その辺はどうでしょうか。
知事これは福井県の中でも、地域の実情に応じていろいろな展開があると思います。
学校の運営はもちろんですが、公民館活動との連携や子どもたちが土日に地域の中でどう過ごすかなど、地域全体でモデル的にやっていただこうというつもりです。
保護者、地域の団体、学校の三者で協議会をつくり、学校運営だけでなく、家庭、地域の教育についても協議会が関わるというのが「福井型」の大きな特徴ですね。

※この記事は、月刊 「官界」の許可を得て転載しています。