福井県立丹生高等学校同窓会発行の「会報 丹生ヶ丘」に知事の寄稿文が掲載されました。

ふるさとを誇りに思うこと

福井県知事 西川 一誠

 丹生高校同窓会の皆様には、ますますご健勝でご活躍のことと、心からお喜び申し上げます。
 さて、今年四月に行われた全国学力調査で、本県は小学生が第二位、中学生が第一位と昨年に引き続き全国最上位の結果を挙げました。
 この理由については、子供たちの頑張りと学校の先生方の地道で熱心な指導はもちろんのこと、何より地域に確かな教育力が根付いているからだと答えています。本県では、学校、家庭、地域のどれもが安定していて、この良好な教育環境の下で子供たちが育まれ、着実に実を結んでいます。
 わが丹生高校も、越前町内唯一の高校として、越前町はもとより地域の方々からとても愛されています。丹生ヶ丘の自然環境もすばらしく、眼下に広がる田園風景、緩やかな天王川と日野川の流れ、遥かに望む霊峰白山の峰々。今でも目に浮かびます。この恵まれた環境で、高校時代を過ごしたことは、かけがえのないものです。
 今年いよいよ丹生高校に、中高一貫教育の第一期生が入学いたしました。初めての中高連携がスムースに進むように、丹生高校では、幕末期の福井藩士・橋本左内の著書にちなんだ「啓発塾」という合宿研修を四月一日・二日に開催されています。朝日中学校で高校を先取りした学習を体験したとはいえ、不安を抱えていた生徒たちも、これで丹生高生としての自覚を新たにされたと思います。このように学校の中でも切磋琢磨し、丹生高校を盛り立ててほしいと思います。
 ところで、高校時代には、勉強ももちろん大事ですが、ふるさとのこと、地域のことをもっと学んで欲しいと思います。
 夏に、イギリスのジョージ・オーウェルという作家が、第二次世界大戦の終結前後あたりに書いた著作を読みました。その中で彼は、若い元気な人を地方に留まらせるためには、教育を通じて地方に住むことのプライドを鼓舞しなければならない。すべての子どもが当然自分の地域の歴史や地誌を学ぶべきであり、また人々は自分の住む地方を誇りとし、その風景、その建築、その料理さえも、世界一と感じるべきだという意味のことを述べています。
 私もマニフェストに「夢と誇りのふるさとづくり」を掲げました。これも「福井の魅力を磨き、その価値を高めて、福井人の自信と誇りにつなげよう」という考えです。偶然とはいえ、その共通性に驚いた次第です。
 今夏の北京オリンピックでは、金メダルに輝いた女子ソフトボールチームの坂井選手をはじめ本県出身選手が活躍されました。同じくパラリンピックでも、アテネに続き高田選手が三個のメダルを獲得しました。このように、郷土の選手の活躍は、本県の子供たちに夢と希望を与えてくれます。
 同様に、母校の活躍もわれわれに力を与えてくれます。在校生の皆さんには、文化やスポーツに精一杯頑張ってほしいと思います。
 この春に、福井県が提唱した「ふるさと納税」制度がスタートしました。地方発の提案が国の施策として実現した、画期的な制度です。また、ふるさとへの思いを形にし、ふるさとを元気にする制度です。皆様の手で、この制度を広めていただき、福井をもっと元気にしていただけたらと思っています。

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